2006.02.04 Sat(21:53)
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高く澄んだ空のした、とうとうと流れるお経に包まれていた。冷えすぎてかじかんだ指先に、息を吹きかけることさえ躊躇われるほどの空気。
檀家さんたちは敷地内で談笑しているが、遠い親族の私たちは、悲しみにくれる家族を目の前にして、一言も発することはできなかった。
この家の嫁になって、まだおそらく二度しか会っていなかったその女性は、写真の中で青い着物を着て微笑んでいる。
病と闘ったその月日を、彼女は幸せだったと昨年おっしゃっていたそうだ。
善き夫、善き家族、善き孫に囲まれて、幸せだったと。
私は、晩年の自分を思う。
今の生き方を選んだことに、今更悔いることはない。
けれどそのままいって、死ぬ前に「幸せだった」と家族に伝えることができるだろうか。
死ぬ前に、「幸せだった」と伝える家族は、いてくれるだろうか。
出棺を見送ったとき、視野が潤んだ。
彼女を偲んで、私の人生に考え惑って、私は夫の背にそっと隠れた。
空から白いものが、ちらちらと舞い始めていた午後だった。
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